ウエット完全制覇
転倒者続出の中で2周目にトップに立つや、コントロール能力抜群を完璧証明。チャンピオンシップではロレンソに12ポイント差でトップに立つ。
トップグリッドのマルケス、ロッシに残り8周目まで懸命に食い下がるも及ばず転倒。
2番グリッドのロレンソ、序盤トップも次々と抜かれ4位、ウエットでは腰が引けているのが常。
18番グリッドのダニロ・ペトルッチは、14ラップ目に2番手に浮上。3.010秒差でチェッカーを受け、キャリア62戦目で初の表彰台、新雨男誕生か。
クラッチローを捲き込み転倒のMoto3からジャンプアップしたミラーは明らかに操縦能力不足。
結果
決勝レース:ロッシが優勝でポイントリーダーに再浮上
ロッシが優勝、ペトルッチが2位、ドビツィオーソが3位、イタリア勢が表彰台独占、ロレンソが4位、マルケスが転倒リタイヤ。〜
〜気温16度、路面温度18度のウェットコンディションの中、ウォームアップ走行で今季4度目の1番時計を刻んだ4番グリッドのロッシは、2ラップ目にトップに飛び出すと、降り続いた雨の中で高い集中力を維持。〜
V・ロッシが今季4勝目でランキングトップに返り咲き
〜V・ロッシ選手談(優勝)
「とてもうれしいし、とても誇らしい気持ち。まさに最高の気分だよ! 雨のレースで優勝したのは、おそらく10年ぶりくらい。今朝、起きたときから調子が良かったし、チームも良い仕事をしてくれたので、ウォームアップ・セッションの1ラップ目から絶好調だったんだ。僕自身、気分が良く、マシンのフィーリングも素晴らしかったので、決勝も必ずうまくいくと確信していたよ。でもマルクとのバトルはかなりきつかった。懸命に逃げようとするのに、彼はぴったりついてくる。大型スクリーンで彼が転倒するのを見たんだけれど、その前から後方のエンジン音が聞こえなくなっていたので、何かあったことはわかっていたけどね。彼が転倒したあとは十分なアドバンテージがあると思っていたので、少しペースダウン。ところが実際にはダニロ(ペトルッチ)が予想以上に近くにいたので、僕はもう一度、集中力を呼び戻してプッシュしなければならなくなったんだ。優勝は今季4回目。とてもうれしいし、チャンピオンシップにとっても非常に重要な勝利になった。自分自身、速く走れていたし、マシンにも信頼をおいていた。シルバーストーンは勝ったことがなかったので、初優勝できてなおさらハッピー!」
J・ロレンソ選手談(4位)
「スリックでの最初のスタートは非常に危険な状況。だから雨がさらに激しくなって、レイン・タイヤに交換できたことはとても良かったと思う。最初の3、4ラップはフィーリングが良く好調に走れていたんだけれど、他のライダーたちのほうが徐々に速くなっていった。ラップごとに遅れ、バレンティーノとマルケスに抜かれて3位。彼らのほうがペースが速かったので、どうすることもできなかったんだ。すると突然、シケイン入り口でエスパルガロが不可解な動き。危うく大クラッシュになるところだったけれど、運よく持ちこたえることができたので、そのあとも何とか3位争いに残りたかった。一旦はペトルッチ、ドビツィオーゾ、ペドロサに抜かれてしまったけれど、僕の動きが速かったのでまずダニ(ペドロサ)をパス。最終ラップではドビツィオーゾがミスをして近づくことができたんだけれど、その頃には雨がさらに激しくなり、寒くなり、シールドが曇って前が見えなくなっていたので、ペースを落とすしかなくなっていた。それで3位復帰のチャンスを失ったんだ。このことは非常に残念。ウエット・コンディションでバレンティーノやマルケスについて行くことができなかった」
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マルク・マルケス(MotoGP リタイア)
〜「チャンピオンシップはすでに難しい状況でしたが、今大会を終えて、さらに難しくなりました。でも、リスクを負わなければならないレースだったということも事実です。レースをコントロールしている感触があったのですが、転倒してしまいました。ノーポイントでしたが、トップグループで走ることができたというのはポジティブなことでした」〜